昭和瀝青工業株式会社

技術センター 開発グループ 係長

A.A

優れた耐久性や従来にない付加価値を有する
アスファルト乳剤を開発しています。

今の仕事について

マーケットにある製品より付加価値のあるアスファルト乳剤の開発を担当しています。
アスファルトは一般的には加熱し液状にして使用していますが、これには加熱装置や保温装置などを必要とするため、水中にアスファルト粒子を分散させ、エマルションにすることで常温でも使用できるように加工したものがアスファルト乳剤です。
用途として、アスファルト層間の接着剤としての役割や骨材などと混合して敷き均すことで薄層のアスファルト舗装に用いるなど様々な用途があります。
また、私たちの研究では実際の道路で耐久性や接着性の検証も行っています。
過去の研究では、姫路市と共同研究する特殊なTSP工法の開発プロジェクトに参加していました。地産地消をテーマに、市内で発生した廃材をリサイクルして地域に貢献するプロジェクトで地元に貢献できたことはいい経験になりました。今後も限りある地球上の資源を有効に利用した研究を心がけていきたいと思います。

今後の道路のあり方は?

道路の維持管理時代が到来しました。高度経済成長期に施工された道路がどんどん劣化していき、それを維持・補修していく方にシフトしています。国のインフラにかける予算も減っていく中、従来の予算枠はとれなくなりますから、ローコストでいい物を作ることが開発グループの使命。そのニーズにそって戦略を立てて実現できるよう、グループメンバー一体となって取り組んでいます。

こんな人と一緒に働きたい

道路づくりに興味がある人
業界が持つ3Kのイメージを払拭するのはむずかしいのですが、社会インフラとして必ず必要な仕事です。自分で開発した製品が身近な道路の舗装に用いられ、地域社会に貢献できている、恩恵を還元できていることに誇りを感じます。創造しているのは道路の先にある地域貢献。そこに興味を持ってもらえる人とぜひ一緒に仕事がしたいと思います。

学生の皆さんへメッセージ

アスファルトは、原油を蒸留して石油製品を取り出した後に残った残渣油を原料としていて、価値が見いだされず、捨てるぐらいなら道路で使うしかない…というところから道路資材としてのアスファルトの歴史が始まりました。現在では交通条件、気候条件、地域の環境に対応して、高分子材料、樹脂などで改質したアスファルトが使用されるなど、日本の舗装率の画期的な向上と日本の経済発展に貢献してきました。今ではアスファルトの価値は最大化され、アスファルトの特性である防水性を活かし、舗装剤だけではなく建築材としても使われています。他の資材よりも安価で機能性が高いため、今後も省資源、自然環境保護など使用目的に応じた高機能のアスファルトの開発が期待されています。震災など災害でも道路の重要性を認識されていると思います。壊れにくい耐久性のある材料や工法、自分たちが開発したもので、街や生活基盤を守ることができる仕事です。社会に還元でき、誇れる仕事であるとイメージしてください。